アメ玉

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「書けたよ! お兄ちゃん」
 妹は地面に書いた魔法陣を得意げに見せる。
「おう、じゃあ、神様を呼び出す呪文を唱えるぞ」
 兄は呼び出しの呪文を読み上げた。

「わたしを呼び出したのはお前らか」

 目の前にローブをまとった神様が現れる。
「うん、なんでもお願い叶えてくれるんでしょ?」
「ひとりひとつまで叶えよう」

 兄は神様の耳元で囁く。
「妹がいつも何でも俺のせいにするせいで、俺ばっかりいつも大人に怒られる。超ジャマ。あいつどこかに連れてって」

 妹は神様の耳元で囁く。
「お兄ちゃんはいつも私のものを取る。ケンカするといつも髪の毛引っ張るし。ムカつく。あいつどこかに連れてって」

「それでは邪魔者をアメ玉にしてやろう。対価はそれでいい。大サービスだが、好物なんでな」
 二人は仲良く頷いた。

「フッ、神と悪魔の区別もつかないガキ共が」
 アメになった兄妹を、悪魔はゴクリと飲み込んだ。
その他
公開:21/03/04 11:28
更新:22/02/17 18:46

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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