前髪
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「わぁ。男の子だっけ?」「そうよ。」「みずなお姉ちゃんだよー」「“おばさん”だろう?お前を娘にした覚えはない」「うっさい。高校生だからいいの」「妹なんだから“叔母さん”だろう?」「そういうことじゃあないのよ?きょうなさん」「さよりちゃん、優しい」「…ってか。お前、進路はどうなったよ」「…まだ考えてる」「そうよね。悩んじゃうわよね」「さよりちゃん…優しい。兄と結婚してくれてありがとう、女神様」「“チャンスの神様は前髪しかない”んだぞ。悠長なこと言っておれんだろう?」「わかってー…」
ぎゅっ。
「ひょぇ!?」
私の前髪を小さな手が掴んだことで、情けない声が出た。
「はっはっはっ!こりゃあ、将来有望だ!」
そう言って笑っているだけの兄をじとっと見る。
「ぅー」
声がしたおでこの方へ目線だけを向けるとむにゃむにゃする彼の姿が見えて、『これは将来有望だわ』と私は、彼の天使のような前髪をそっと撫でた。
ぎゅっ。
「ひょぇ!?」
私の前髪を小さな手が掴んだことで、情けない声が出た。
「はっはっはっ!こりゃあ、将来有望だ!」
そう言って笑っているだけの兄をじとっと見る。
「ぅー」
声がしたおでこの方へ目線だけを向けるとむにゃむにゃする彼の姿が見えて、『これは将来有望だわ』と私は、彼の天使のような前髪をそっと撫でた。
その他
公開:21/03/04 23:57
ご覧いただき ありがとうございます。
よろしかったら読んでみてください。
作品の絵も自身で描いております。
コメントや☆など とてもありがたく思っております。ありがとうございます。
のほんとしたお話や癒しとなっていただけるようなお話を描けたらと思っております。
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