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「さて、どこに行こうか」
今日は彼女との、最後のドライブだった。
人型カーナビロボットの普及から、数十年が経った。まるで人間が喋っているかのように、目的地まで案内してくれるというものだ。
私もドライブのお供として、そのロボットを利用していた。多くの人は家族ができるとロボットを手放したが、私は独り身であったため、助手席に乗せ続けていた。表情は乏しいが、綺麗な女性の姿をしたロボットだった。しかし、とうとう機械としての寿命がきてしまった。
最後の目的地を決めようとすると、突然ロボットが勝手に起動し、行き先を設定した。驚きながらもナビに従い運転すると、近くの海岸にたどり着いた。そういえば初めて彼女を助手席に乗せた日、ここに来たっけ。
私の横で、彼女が静かに言った。
「目的地に到着しました。案内を終了します」
そう告げると目を閉じて下を向き、動かなくなった。
車内には静寂と、波の音だけが残った。
今日は彼女との、最後のドライブだった。
人型カーナビロボットの普及から、数十年が経った。まるで人間が喋っているかのように、目的地まで案内してくれるというものだ。
私もドライブのお供として、そのロボットを利用していた。多くの人は家族ができるとロボットを手放したが、私は独り身であったため、助手席に乗せ続けていた。表情は乏しいが、綺麗な女性の姿をしたロボットだった。しかし、とうとう機械としての寿命がきてしまった。
最後の目的地を決めようとすると、突然ロボットが勝手に起動し、行き先を設定した。驚きながらもナビに従い運転すると、近くの海岸にたどり着いた。そういえば初めて彼女を助手席に乗せた日、ここに来たっけ。
私の横で、彼女が静かに言った。
「目的地に到着しました。案内を終了します」
そう告げると目を閉じて下を向き、動かなくなった。
車内には静寂と、波の音だけが残った。
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公開:21/03/04 21:05
ばおといいます!よろしくお願いします。
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