役に立つ厄
0
3
小学校から帰って来るとお雛様を箱から出し、丁寧に磨き上げる。
昨年仕舞う時、確かに綺麗にした。でも1年経った事で昨年お雛様が吸い取ってくれた厄が表面化してしまっているのだ。それを綺麗に拭い取る。
これを放っておくと厄が溜まり、女は婚期を逃す、と祖母に教えられた。
だから私はお雛様を磨く。綺麗になったお雛様を見ると私も綺麗になった気がする。
そんな私を悪戯盛りの弟が邪魔してくる。
「そんな事していると罰が当たるよ」
祖母が叱りつけるも弟はあっかんべーをして外に遊びに行ってしまった。
「あの子にはちょっとお灸を据えないとね」
祖母は呟くと拭い取った厄を丸めて小さな球を作った。それ、どうするの?
「あの子に食べさせるのさ」
翌日、弟は不運に見舞われた。
「悪い事をすると天罰が下るものだよ」
祖母に叱られた弟は項垂れる。
「厄はね、こうやって使う事で薬にもなるのさ」
祖母は私に悪戯っぽく笑った。
昨年仕舞う時、確かに綺麗にした。でも1年経った事で昨年お雛様が吸い取ってくれた厄が表面化してしまっているのだ。それを綺麗に拭い取る。
これを放っておくと厄が溜まり、女は婚期を逃す、と祖母に教えられた。
だから私はお雛様を磨く。綺麗になったお雛様を見ると私も綺麗になった気がする。
そんな私を悪戯盛りの弟が邪魔してくる。
「そんな事していると罰が当たるよ」
祖母が叱りつけるも弟はあっかんべーをして外に遊びに行ってしまった。
「あの子にはちょっとお灸を据えないとね」
祖母は呟くと拭い取った厄を丸めて小さな球を作った。それ、どうするの?
「あの子に食べさせるのさ」
翌日、弟は不運に見舞われた。
「悪い事をすると天罰が下るものだよ」
祖母に叱られた弟は項垂れる。
「厄はね、こうやって使う事で薬にもなるのさ」
祖母は私に悪戯っぽく笑った。
公開:21/03/03 20:34
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
コメントはありません
ログインするとコメントを投稿できます