#063 雨振り

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「雨だ」と彼は言って、傘を私に差す。
「いいよ。私まで変な目で見られちゃう」
「でも、雨が降っているから」
と。そうは言うが雨は降っていなかった。
「雨なんか降ってないよ」
と、私は彼に何度言っただろうか。
雨なんか降ってないよ。
雨なんか降ってないよ。
雨なんか降っていないのに。
その他
公開:21/03/09 15:00
ツイノベ 140字小説 超短編

秋助( 言葉のどこか )

文芸サークル『感傷リップループ』主宰。
小説、脚本、短歌、ツイノベなどを執筆しています。

主に文学フリマ、テキレボが生息地。
毎日13時にツイノベ(140字小説)を5作載せる予定です。

【note】(雑記、創作関係)
http://note.mu/akisuke0825

【エブリスタ】(小説)
https://estar.jp/users/246758086

【カクヨム】(小説)
https://kakuyomu.jp/users/akinoaki

【はりこのトラの穴】(脚本)
http://www.haritora.net/script.cgi?writer=4280

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