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ゆるやかに曲がるバンドの中に、久々に、点が加わる。

「やったよ、リオ!」
「一安心かな、まあ、そんなに心配してたわけじゃないけど」
子供たちの成長は個人差がとても大きい。頭ではわかっていても親は不安なのである。
標準的な成長範囲は割に広い。それでも息子は随分と長い期間、下限を下回り続けていたのだ。
「うそ、つい二ヶ月前には『大丈夫かなあ、もう一回先生に聞いといたほうがいいんじゃない?』とか言ってたくせに」
「はいはい、よく覚えておいでで」

何もわかっていない息子はジョイントマットの上をぺたぺた歩きながらこちらへ近づいてくる。

「ママやったね〜」
「あはは、やったのはリオだよ、大きくなったんだよ〜」
「リオおっきくなったね〜」

「ようしリオ、もっと大きくなるために、お昼ごはん食べよっか!」
「ごはんじゃない。おやつにしゅる」

ジュラ紀、白亜紀、イヤイヤ紀。

哺乳類の苦難は続く。
その他
公開:21/03/04 22:00

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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