あやかしは歌う

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登山の最中、僕はコースから大きく外れてしまい、遭難してしまった。オマケに大雪で最悪の状況になってしまった。しばらく歩いていると、小さな山小屋が見えてきた。ありがたい。俺は、山小屋のドアをノックした。

「すみません。誰かいませんか?道に迷ってしまったんです。中に入れてくれませんか?」
「開いてるので入ってください」

女の声が聞こえて、俺は中に入った。中には美しい女がいた。

「あのね、私、雪女なの」
「雪女?あの妖怪の?」
「うん」

話を聞いてみると、この大雪は彼女のせいらしい。それから一夜を雪女と一緒に山小屋で過ごした。よく話した。楽しい夜だった。
朝起きると、そこに彼女の姿はなかった。
そして僕は、無事に帰ることができた。

雪女が歌うと雪が降る。今日も雪が降っている。
どうやら彼女は、今日もどこかで元気に歌っているらしい。彼女と過ごしたあの日を思い出しながら、僕は窓の外を見る。
ファンタジー
公開:21/03/02 20:15

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

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