シャボン玉が呼んでいる

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二階の部屋の窓からシャボン玉を飛ばす女の子を見て、僕は彼女に一目惚れした。彼女はひきこもりだと近所で噂になっていた。僕は彼女に気づいてもらう為に、彼女の部屋に向かってシャボン玉を飛ばした。
彼女が気が付いて窓を開けてくれて僕を見て微笑んだ。

たったそれだけの事だったけど、なんだか彼女と心が通った気がした。

僕は、彼女のその微笑む顔を見るだけでドキドキした。

それ以来、僕は来る日も来る日も彼女を呼ぶ為にシャボン玉を飛ばし続けた。

何度も彼女は窓を開けて僕の方を見て微笑んでくれた。

三ヶ月後、彼女はこの世を去った。
僕と初めて出会った時には、余命三ヶ月だったらしく、彼女は窓から見るシャボン玉が好きだと家族にいつも言っていたらしい。

僕は今でも時々、彼女の部屋に向かってシャボン玉を飛ばしに行っている。

だって彼女があの窓から僕が飛ばしたシャボン玉を見て微笑んでくれてる気がするから。
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公開:21/03/02 20:00

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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