ふわり星

綿あめ座が一際綺麗な夜。
満点の星空の下、
シホはいつものように空を眺めていた。
キラキラ輝く星を夜だけじゃなくて昼の間も見たいと思った。
星々の中に、1つだけフワフワと漂う星を見つけた。
シホはその星を掴もうと目いっぱい手を伸ばす。
すると、微かな手応えと共に光は小さな手に収まった。
ワッと驚く。
慌てて砂浜の砂を入れていた小瓶に、掴まえた星を入れた。
小さな星は瓶の中でもフワフワと浮かんで輝いていた。
シホはその星に『ふわり星』と名前を付けて宝物にした。

何とか流星群の夜。
シホは手の中のふわり星にゆっくりと３回願い事を唱える。
一瞬の流れ星に願い事をしようとヤキモキする人々を横目に。