花
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生まれたばかりの私は母の作ってくれたおくるみに身を包まれた。
若草色のおくるみはまさに命芽生えし私そのものだった。
私の成長と共におくるみも成長する。双葉が出る様にぴょこんと二つの袖が生えた。
5歳の頃、おくるみは着物へと変化していた。若草色の中にいつの間にか花柄が描かれている。
小さく咲き乱れる花々の着物に、それを着る私の笑顔も咲ききっていた。
小学校、中学校、高校、大学、私は節目には着物を着る。夏祭りにだって着ていた。爽やかな草原の香りのする着物はいつだって皆を振り向かせる。
着物に着られる人ではなく、着物を着る人であろうと私も努力を重ねたものだ。
ついに訪れる結婚式。満開の花香る美しい晴れ着で私はその日を迎えた。
それ以降は着物を着る機会も減ってしまった。
そんな私に母は言った。
「それじゃ、着物を切り戻して、生まれてくる子供のおくるみを作りましょ」
そして着物は新芽へとまた戻った。
若草色のおくるみはまさに命芽生えし私そのものだった。
私の成長と共におくるみも成長する。双葉が出る様にぴょこんと二つの袖が生えた。
5歳の頃、おくるみは着物へと変化していた。若草色の中にいつの間にか花柄が描かれている。
小さく咲き乱れる花々の着物に、それを着る私の笑顔も咲ききっていた。
小学校、中学校、高校、大学、私は節目には着物を着る。夏祭りにだって着ていた。爽やかな草原の香りのする着物はいつだって皆を振り向かせる。
着物に着られる人ではなく、着物を着る人であろうと私も努力を重ねたものだ。
ついに訪れる結婚式。満開の花香る美しい晴れ着で私はその日を迎えた。
それ以降は着物を着る機会も減ってしまった。
そんな私に母は言った。
「それじゃ、着物を切り戻して、生まれてくる子供のおくるみを作りましょ」
そして着物は新芽へとまた戻った。
公開:21/03/01 20:53
元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。
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