ひな祭り

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明かりを点けましょ。ぼんぼりに。
お花をあげましょ。桃の花。
五人ばやしの 笛太鼓。
今日は楽しい。ひな祭り。

今日はひな祭り。雛人形を飾りながら歌っていると、突然ひな人形が喋り出した。

「今の歌ね。もうちょっとエッジを効かせてみたらいいんじゃないかな」
「エッジ効かせたらホラーじゃん。あはははは」

私は驚き、恐怖した。

「に、人形が喋った……!」
「今年こそは言おうってずっと思ってたの。私達を一年間も埃っぽい押し入れに監禁して、許されるとでも思ってるの?今度はお前が閉じ込められちゃえ。あはははは」

その瞬間、目の前が真っ暗になった。
次に目を開けると、私は雛人形になっていた。

私の視線からは、私の姿で私の声でエッジを効かせながら歌う雛人形が、人形の私を並べていた。
ホラー
公開:21/03/02 12:59

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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