狐の嫁入り
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通り雨の振る夜は出歩いたらいかん
お狐様の嫁入りの邪魔になるけんね
亡き祖母がよく言っていた。正直作り話だと思っていた。でも、
カラン、コロン、カラン、コロン
沢山の狐が礼儀正しく二列に並んで、二足歩行で歩いている。みんな袴を履いていて、列の中心には白無垢を着た狐がいる。
(作り話じゃ無かった…!)
バイト先から帰る深夜、突然雨が降り出したと思ったら、そんな場面に出くわしてしまった。慌てて別の道から帰ろうと踵を返す。が、誤って音を立ててしまう。
『誰だ』
狐達が足を止め、禍々しい目で睨んでいる。ヤバいと思った瞬間、私はあるものの存在を思い出して、それを差し出す。
「こ、こちらお祝いの品です…!どうぞお納めください!」
バイト先で貰った稲荷寿司。狐達はお互いの顔を見合わせた後、稲荷寿司を持ってまた歩き出した。
気が付いたら私は家の前にいた。手には稲荷寿司の代わりに、特上の油揚げを持って。
お狐様の嫁入りの邪魔になるけんね
亡き祖母がよく言っていた。正直作り話だと思っていた。でも、
カラン、コロン、カラン、コロン
沢山の狐が礼儀正しく二列に並んで、二足歩行で歩いている。みんな袴を履いていて、列の中心には白無垢を着た狐がいる。
(作り話じゃ無かった…!)
バイト先から帰る深夜、突然雨が降り出したと思ったら、そんな場面に出くわしてしまった。慌てて別の道から帰ろうと踵を返す。が、誤って音を立ててしまう。
『誰だ』
狐達が足を止め、禍々しい目で睨んでいる。ヤバいと思った瞬間、私はあるものの存在を思い出して、それを差し出す。
「こ、こちらお祝いの品です…!どうぞお納めください!」
バイト先で貰った稲荷寿司。狐達はお互いの顔を見合わせた後、稲荷寿司を持ってまた歩き出した。
気が付いたら私は家の前にいた。手には稲荷寿司の代わりに、特上の油揚げを持って。
ファンタジー
公開:21/03/02 11:48
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