15時のシンデレラ

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この喫茶店の常連である俺は、マスターから「この店には、15時のシンデレラがよく来る」と言われた。

15時のシンデレラが来る……?
それはどういう事だろう。

珈琲を注文して待っていると、14時になった。すると一人の女性がやってきた。とても整った美しい顔をしている。

マスターがカウンター越しに俺の方を見て「彼女だよ」と合図を送る。

彼女が15時のシンデレラか。
彼女は、俺から二席開けたカウンター席に座った。

彼女はケーキと紅茶を注文し、席で本を読みだした。
チラッと覗くと、彼女が読んでいた本はシンデレラ・ストーリー。
かなりじっくりと読んでいるようだ。

マスターがケーキと紅茶を彼女の所に持っていくと、彼女は本を閉じて食べ始めた。そして店の時計が15時になって、メロディーが流れ出した。

「ご馳走様でした」

彼女はそう言うと急いで、店を後にした。

15時になると急いで帰るらしい。
ミステリー・推理
公開:21/03/02 11:46

富本アキユ( 日本 )

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・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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