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息子は不器用で何をやっても一番になれない。
一番練習して、一番努力しているのは息子だって私は自信を持って言える。なのにこの評価はあんまりじゃないか…
だから私は息子の手を引き、賞店街を訪れた。ここは数々の賞を売る店で溢れている。
優勝・大賞・金賞は勿論、努力賞からノーベル賞まで何でも売っている。
ここなら、息子に与えられる賞が一つは見つかるはずだ。
しかし、どの店も息子に賞を売ってくれなかった…息子はこんなにも頑張っているのになぜ評価されないんだ…
「違うよ。君の息子さんはまだ発展途中なんだ。今ここで中途半端に賞を与えるより、もっと成長してから与える賞の方が息子さんの為になる」
賞店街の会長さんの言葉に息子は「なら僕、もっと頑張るよ」と答えた。
「さて、息子さんの代わりに今の君には賞を売ってあげよう。はい”心配賞”」
いらない賞を売りつけられる事もあるのか。と、私と息子は賞店街を後にした。
公開:21/02/28 21:05

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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