鶴は千年。亀は万年。僕は・・・

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「鶴は千年。亀は万年。僕は残念。どうも、小太郎です!」

お笑い芸人である俺は、登場する時の挨拶の掴みのネタとして、いつもこの挨拶を使っている。いつか売れて大勢のお客さんで会場を満員にして、大爆笑してもらい、人々を笑顔にする。それが俺の夢だ。
今日も客は誰もいない。それでも俺は、舞台の上に立ち続ける。

「鶴は千年。亀は万年。僕は残念。どうも、小太郎です!いやー、残念っていうのは、僕の顔の事なんですけどね。見てくださいよ、ほら。ね?そんなにイケメンじゃないでしょう?でもね、僕も頑張って生きてるんですけど――」

今日もお客さんは、誰も入っていない。このデパートの屋上でライブし続けてどれくらいが経っただろう。

鶴は千年。亀は万年。
僕は十万年。誰もいないデパートの屋上でお笑いライブを続けている。
SF
公開:21/03/01 11:41

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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