茶飲み友だち
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名前も何処に住んでいるのか分からないが、何となく顔を合わせている内に親しい間柄になった。私がカフェや公園でお茶を飲むとき、彼女は何処からともなく現れて一緒に景色を眺めた。
恋人や家族を失ったのかもしれない。そんな風に思ったのは通りを行き交う人々を見る目が悲しげだったからだ。
私はその眼差しにかつての自分を見たように感じ、思わず一緒に暮らさないかと口に出していた。彼女は私をじっと見つめ、杖に頭をこすりつけた。私は彼女の頭を優しく撫で、お互いそんなに長くはない命だが残された時間を共に生きようと誓った。
老人と老猫は通りをゆっくりと歩く。杖をつく私の目前にいる鳩の群れを猫は蹴散らす。
私は愉快な気持ちで猫の後をついて行った。猫は私の家を知っているかの如く颯爽と歩く。まるでずっと一緒に生きてきたかのように。時折振り返り私を気遣うように鳴く。まだまだ歩けるさと鼻歌で返した。
恋人や家族を失ったのかもしれない。そんな風に思ったのは通りを行き交う人々を見る目が悲しげだったからだ。
私はその眼差しにかつての自分を見たように感じ、思わず一緒に暮らさないかと口に出していた。彼女は私をじっと見つめ、杖に頭をこすりつけた。私は彼女の頭を優しく撫で、お互いそんなに長くはない命だが残された時間を共に生きようと誓った。
老人と老猫は通りをゆっくりと歩く。杖をつく私の目前にいる鳩の群れを猫は蹴散らす。
私は愉快な気持ちで猫の後をついて行った。猫は私の家を知っているかの如く颯爽と歩く。まるでずっと一緒に生きてきたかのように。時折振り返り私を気遣うように鳴く。まだまだ歩けるさと鼻歌で返した。
青春
公開:21/02/28 22:25
更新:21/02/28 22:46
更新:21/02/28 22:46
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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