『オズワルド叔父さん』を姪に送った男

　ロアルド・ダールは児童作家として有名な英国の作家である。そして彼の作品の多く、例えば『チャーリーとチョコレート工場』などは、今でも世界中の人々を魅了し続けている。
　僕の会社の同僚、笹森はダールが児童作家として有名なことを知っていた。そこである日、彼は小学生の姪にダールの『オズワルド叔父さん』をプレゼントした。
　その後、その姪の母親である笹森の妹は、娘が読んでいる本を見て愕然とする。というのも、数は少ないがダールは大人向けの話も書いており、そのオズワルド叔父さんは登場人物が世界中でセックスをするという内容だったからだ。
「兄さんねぇ、アレがどういう内容か知っているの？」
と電話で問われた時、笹森はその本の内容をよく分かっていなかった。
　しかし妹からその内容を聞かされて、彼は頭から血の気が引く音を聞いた。
　それから三ヶ月近く、笹森は妹にラインを送っても全て既読スルーされる事になった。