切子餅

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越前製菓が「切子餅」という新商品を開発した。
硝子のように硬い切り餅に切子の細工を施すというもので、切子餅には二種類ある。
江戸切子餅は、透明感のある白い羽二重餅の切り餅に魚子、六角籠目、八角籠目、菊繋ぎ、菊花、麻の葉、矢来、七宝、亀甲ーーさまざまな模様を彫って焼き上げる。シンプルだが非常に華やかだ。
薩摩切子餅は、江戸切子餅に使った羽二重餅に、クチナシの実を混ぜた赤色の切り餅や、ヨモギを混ぜた緑色の切り餅などで色被せを行い、江戸切子餅より細かい模様を彫って焼き上げる。羽二重餅とカラフルな色の切り餅が織り成すグラデーションが実に美しく、白・赤・緑の三色の菱形切子餅は雛祭りに欠かせない。
どちらの切子餅も甲乙つけがたく、「餅は餅屋」というとおり、切子の手業を習得した専門の餅職人が競って切子餅を作った。
その結果、巷で切子餅が話題となり、子供から大人まで幅広い世代で大ヒット商品となっている。
その他
公開:21/02/28 07:01
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SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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