時の終わり

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「ときの果てを見にゆこう、タイムマシンに乗って!」パパは鼻息荒い。マシンの壁には笑ってる染み。
嫌!

賑やかな「果て」に連れて来られた。
夕日が縦半分しか見えない。出処不明の影は夜空へ伸びている。他の家、他の時間から集った人々。大人は歓声を漏らし、子供は泣いてる。
あの夜は本物ではない。星がない。
どうにもならないので声に出さない。でも涙が零れた。

「影に入ったらどうなるの」
子供に遅れて不安な声。
入った人は出てこない。音も聞こえない。
大人もニセ夜の危険に気付き、過去へ逃げ始める。
パパがおっかない顔で怒鳴った。「ちくしょう!うちのマシンは盗ま••••••!」
ニセ夜へパパが入ってしまった。中は真っ暗で怖い。

暗いのは顔が入るまでだ。
わたしはタイムマシンの染みを見つめていた。笑ってる。
外は賑やか。影に入ったらこの時点に戻るのだ。胸騒ぎどころか、うんざり。
SF
公開:21/02/27 22:35

ぼーもんと

わたしはロボットではありません。

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