葉牡丹

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足元から私を呼ぶ声がした。
そこには、まわりはキャベツだが、白、赤、ピンク、紫が薔薇の花弁のように美しく鮮やかにそして、力強く咲いるではないか。私はその美しさに見惚れてしまった。そう言えば、花を見ることもなく走り続けてきたものだ。この花はそんなことを気づかせてくれたか。
私はスマホを取り出し「キャベツのような花」と検索してみた。
「葉牡丹」振り返ると私の人生はボタンの掛け違いばかりだった。素直になりたい自分と、素直になれない自分との葛藤日々、だが今さら後悔してもしょうがない。
検索を続けると花言葉に目が止まった。
私は自宅に帰る脚を速めた。
「だだいま」
20年前に飛び立った私の第二ボタンが紆余曲折の末、無事に戻ってきていた。
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公開:21/02/27 21:56

安楽人

ずふの素人ですが、物書きに興味を持ってしまい、
2021.1月からはじめました。
身近にあった出来事をヒントに書いています。
書くことがこんな面白いとは!

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