帰ってきた神さま

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貧乏神が去り、平穏な日々を取り戻した。
「神様も見た目に寄らないものだ。これからは見た目に騙されないようにしよう」貧乏神は僕にそんな教えを残していった。
突然玄関が開き、みすぼらしい爺さんが入ってきた。
「今月の当番じゃ」と言うとトイレに駆け込んだ。
えー、なんだよ、また神様?
「あのう。もしかして、トイレの神様ですか?」
「そうじゃ、ただな、トイレは西洋の言葉、正式にはかわやの神じゃ」
トイレの神様って、たくさん宝物を持ってくるはずだ、俺はにやけた。
「かわやの神様、宝物はどこでしょうか」
「今は宝物なんか重たくて持ってはこぬ」
そんなに甘くなかったか。
「じゃがのう、これを使いなされ」
とドアの隙間からカードが出てきた。
「わしのいる間は不自由なく暮らせるじゃろ」
やった!
2時間後、「神様トイレを使いたいんですけど」「だめじゃ、わしはトイレでしか生活できぬ」
「神様、早速不自由です」
ファンタジー
公開:21/02/26 23:05

安楽人

ずふの素人ですが、物書きに興味を持ってしまい、
2021.1月からはじめました。
身近にあった出来事をヒントに書いています。
書くことがこんな面白いとは!

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