優しい船渡し

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端切れた黒い布を纏った少女が1人
朝靄の中水辺にうなだれる樫の枝に腰掛けている。
冷え切った水面を映す暗い目に、伸ばしたつま先は撫でるように波紋をつくり出す。

それはまるで
何かを鎮めているかのように。
そう、何かを沈めているかのように。

声も枯れ身体も動かぬ傍観者など意にも介さぬ視線も振らぬ彼女は一言こう呟く。

まだ早いわ
あなたには資格がない

気付くともう陽は昇り
今日も小鳥が希望を歌う

また終止符が打てなかった
ホラー
公開:21/02/26 22:21

ぱん( 福岡 )

こんにちは
社会人しながらゆっくり書いてみます。
通勤時間だけの作家さん気分です。
 

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