レジの神様

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ファミレスで昼食を食べ、会計に向かうとレジに長い行列が出来ていた。急がないと大事な会議に遅れてしまう。しばらく待ったが、一向に列が進まないので痺れを切らした。

「ちょっと、急いでるから先に会計してくれない?」

レジに立つ男がこちらを横目で確認して答えた。
「最後尾までお願いします。」

男の態度にイライラが極限に達した。
「いいから先に会計しろ!お客様は神様だろうが!」

「貴方が神様ならねえ!私だって他のバイトからレジの神様って呼ばれてるんですよ!」
男の予想外の反論と威勢にたじろいだ。 

男はレジのボタンを物凄いスピードで押した。あまりの手捌きに思わず他の客と一緒に見入る。


軽快な音を鳴らしてレジが開く。
「お会計は184544円です。」
「適当に押しただけじゃねえか!」
「すいません、レジが遅くていつも行列作るので本当はレジの疫病神って呼ばれてます。」

会議には遅刻した。
ファンタジー
公開:21/02/27 12:50

リンムー( 東京 )

大学生
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