愛があれば宇宙人でも大丈夫だよね?

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「私、宇宙人だけど付き合ってもらえますか?」
高二の冬、僕は学校一の美少女、江入杏奈(えいりあんな)ちゃんに告られた。
「…宇宙人?」
「うん」
彼女は恥ずかしそうに腕を差し出した。
するとその手先が粘土のようにぐにゃりと不定形になったかと思うと、吸盤のようなものがボコボコと浮き出し、全体がにゅるりと伸びて奇怪な触手に変形した。
「ほらね」
「へ、へえ…」
彼女の顔に視線を戻すと、相変わらずそこには信じられないほど完璧な美少女がいる。
「自分の正体を明かすのは怖かった。でもやっぱりありのままの私を愛してほしいから」
なんて健気なんだ!その心があれば僕も愛せる!
「わかった。君が宇宙人でも構わないよ。付き合おう!」
「ホントに!?」
彼女の顔面がくぱぁっと左右に割れて、そこから伸びてきた雌蕊(めしべ)のような粘液にまみれた突起物が僕の唇にぬちょっと触れた。
「お、おう…」
「初キッスだね!」
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公開:21/02/25 23:23

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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