世界でひとつのお花見

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「大学受験が終わったら一緒にお花見行こうね」

僕が二十歳の時におばあちゃんが死んだ。僕は、おばあちゃんとの約束を果たす事ができなかった。それだけが心残りだった。いつも優しかったおばあちゃん。僕はおばあちゃんが大好きだった。

おばあちゃんと花見に行く約束をしていた。でもおばあちゃんは、僕の受験が終わる頃に体調を崩して入院した。それから一年間の入院をして、病院で亡くなってしまった。

僕は泣いた。しばらくは何も手につかなくなった。

少し落ち着いてきた頃、おばあちゃんに綺麗な桜を見せてあげたくなって、桜の名所に行って写真を撮ってきた。
そして仏壇に写真を飾った。仏壇に手を合わせる。

「おばあちゃん。見てる?桜の名所で撮ってきた写真だよ。おばあちゃんとお花見行けなかったから、これで我慢してね」

その夜、夢を見た。
おばあちゃんが出てきた。

「太一、桜の写真ありがとうね。綺麗だった」
その他
公開:21/02/25 22:22

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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