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その女は、人生で不幸を感じたことが無かった。常に幸せだった。心一杯に幸福を感じて生きて来た。それが、いったいどんな生活だったかというのは説明が難しい。幸せと一言に言っても、それは人それぞれに感じるものだからだ。とにかく、その女が実に幸せに生きて来たことは間違いが無かった。
「不幸って、どういうものなのかしら。一度感じて見たい」
日ごろ女はよくそう言ったので、周囲の人々からうらやましがられ目を丸くされていた。
あるとき、その不幸知らずの女の噂を聞きつけた悪魔が女の前に現れた。悪魔は汚らわしい黒い姿で女に話しかけてきた。
「おまえさん、不幸になりたいんだって?その望み、私が叶えてやろう」
悪魔はニヤつきながら女に言った。
「まあ!不幸!ぜひ感じて見たいの!」
「では、契約成立だ」
悪魔が右手の長く汚い爪の人さし指を振った。
女は完全な不幸になり、同時に大望が叶った幸福を感じていた。
「不幸って、どういうものなのかしら。一度感じて見たい」
日ごろ女はよくそう言ったので、周囲の人々からうらやましがられ目を丸くされていた。
あるとき、その不幸知らずの女の噂を聞きつけた悪魔が女の前に現れた。悪魔は汚らわしい黒い姿で女に話しかけてきた。
「おまえさん、不幸になりたいんだって?その望み、私が叶えてやろう」
悪魔はニヤつきながら女に言った。
「まあ!不幸!ぜひ感じて見たいの!」
「では、契約成立だ」
悪魔が右手の長く汚い爪の人さし指を振った。
女は完全な不幸になり、同時に大望が叶った幸福を感じていた。
その他
公開:21/02/26 12:06
読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。
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