ラジオ

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 亡くなった父が愛用していたラジオは物持ちがとても良く、私は今でも使っている。
 ただ、このラジオは時折、変な番組に繋がることがあるのだ。
 それは別に不気味なものではない。ただ、その時間帯にやっているはずのない番組が流れて来るのだ。それも決まって、私が夜中にラジオを聞いている時に突然、流れて来る。
 内容は料理にクイズ、音楽に、講談や漫才など、実にさまざまだ。ラジオパーソナリティも番組ごとに違う。
 だが、どれだけラジオの番組表を確認しても、その時間帯にそんな番組は一つもやっていないのだ。
 この現象に出くわした当初は気味が悪かったのだが、話している内容はどれも面白いので、気付くと楽しみの一つになっていた。
 父はこのラジオを夜中によく聞いていた。昼より夜のほうが面白いのだとも言っていた。
 今なら、その理由が分かる気がする。
ファンタジー
公開:21/02/26 07:44
不思議なオモチャ箱

海棠咲

 幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
 架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
 そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。

 アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。

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