ラプンツェル

二人の馴れ初め？
魔女が転落したの。登り損ねて全治三ヶ月だったかな。そもそも魔女の癖になんで人の髪で登るの箒使えよって感じ。その隙に王子が来てね。次の日また髪を垂らして待ってたら近くの細工師が50センチほど切っちゃって、それで王子登って来れなくなったの。でも王子なら人を雇って足場でも組めばいいと思わない？ホントに王子？ねぇ。で、困っちゃって。食べ物とか。でね、髪を切った細工師が味をしめてまた来たから言ってやったの。髪売って儲けたんなら食べ物寄越してって。そしたら凧に籠を下げて届けてくれて。結構良い奴でしょ。私がヒマしてると思って町の面白い話とか書いて寄越したり。
そのうち彼がいいこと思いついたの。凧の紐に細い綱を結んで、私がそれを手繰り寄せて。綱をだんだん太くしてってぶら下がって大丈夫になったところで、それを伝って塔から出たわけ。で、逃げて旅暮らし。気の合う人と自由。幸せってこうじゃない？