妖怪株式会社 -第伍会議室-

念喰い達が会議の真っ最中。
「まずは『好き』の調査結果から」
「はい。味、栄養価共にトップレベルですが課題は捕獲量です。人間は頻繁に好きを抱かないようです」
「そこですが安定捕獲できる『嫌い』で賄えないでしょうか」
「嫌いは想いが強い分栄養価は高いが如何せん味がなぁ。第一お前、嫌いは好きか？」
「…嫌いです」
「あれだ。新しい感情の調査はどうなってる？」
その時、会議室のドアが慌ただしく開いた。
「失礼します！新しい感情を入手したので味見をお願いします」
一同持ち込まれた感情を試食する。
「ここ数年、安定して莫大な量が捕獲できています。我々の食糧問題を一気に解決するやもしれません」
「…えらく薄味だな。栄養価はどうなってる？」
「検査の結果、ほぼ無いに等しいです。量を食べる事で…」
「分かった。嫌いと上手く加工できないか検討してみよう。ところでこの感情は何だ？」

「えっと『いいね』です」