手品の種

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最近、仕事が忙しくて子供達と過ごす時間が少ない…
これではダメだと俺は手品の種を購入した。それを会社で育てている。
選んだのは基本のトランプ手品。毎日日光に当て、水をやり、大切に育てる。
1カ月もすると青々としたトランプの葉が水を弾き、仕掛けの花が満開になる。
頃合いだな。俺はトランプを収穫し、仕掛けの花をしっかり読みこむと早めに家に帰り、子供達の前で手品を披露した。
だが、子供達の反応は芳しくない…何故だ?どこで失敗した?
「パパ…やるならこれくらいやらないと」
そう言って子供達が見せてくれたのは俺の手品を遥かに凌駕する技の数々。凄い!凄すぎる!華々しさがまるで違う!
「そりゃそうだよ。僕ら、接ぎ技しているんだもの」
接ぎ技?
「二つ以上の手品植物をくっつけて一つの手品にする手法だよ。これをパパに見せたくて、僕ら頑張ったんだから!」
考える事は親子で同じでも、子は親を簡単に超えていくな…
公開:21/02/25 20:09

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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