タイムカプセル

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十歳になる歳の事。小四の時だった。学校で二分の一成人式という行事を行った。その時、タイムカプセルを埋めた。二十歳になった成人式の日に皆で掘り起こそうと約束をして、タイムカプセルには、未来の自分への手紙を入れた。でも僕は、未来の自分へ何を書けばいいのか最後まで思い浮かばなくて、手紙を入れた振りをして何も入れなかった。

あれから十年が経った。僕は成人になった。タイムカプセルの事なんてすっかり忘れていた。当時、クラスのリーダー格だった奴がタイムカプセルを掘り起こそうと言った。その時、思い出した。まずい、僕は手紙を入れた振りをして入れていないぞ。
タイムカプセルを掘り起こした。

「これは坂本。これは……井上。これは田淵」
「…えっ?」

僕は驚いた。未来の僕宛の手紙なんてあるはずないが、確かに名前を呼ばれた。手紙を受け取った僕は、読んだ。

そこには、十年後の三十歳の僕からの手紙が入っていた。
SF
公開:21/02/25 18:08

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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