うずしお味

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<うずしお味>

男は棚に置いてあるポテチの袋をまじまじと見つめた。珍しいプリントミスもあるものだ。

一つ手に取り、奥からもう一つ手に取る。袋を見比べてみると、どちらも
<うずしお味>だ。どうやらプリントミスではなく、本当にそういう味があるらしい。

興味が湧いたので、一つ買って帰ることにした。

家に帰ると、男は早速 <うずしお味>のポテチを開けた。

途端、袋の中から海水が吹き出してきた。

訳もわからぬまま慌てて開け口を手で抑えようとしたが、海水はとてつもない勢いで吹き出してくる。

あっという間に部屋は海水で埋め尽くされ、ポテチの袋を中心にして渦を巻き始めた。

男は渦の勢いに飲み込まれ、半分溺れながら、部屋の中をぐるぐる回り、やがて気を失った。

男が目が覚ますと、部屋の中は水浸しでめちゃくちゃになっていた。

呆然として床に寝転がる男の口の中には、海水の塩辛さが残った。
ファンタジー
公開:21/02/23 15:14

リンムー( 東京 )

大学生
幼少期に星新一先生のショートショートを愛読してました。

読んで下さってありがとうございます。

Twitter/@rinmushort

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