ルービックギュウブ

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三時になり、外から"モ〜”と鳴く声がした。
庭に出ると、大きなお椀に牛が一頭入っていた。
「おやつに買ってきたぞ。丑年だけにルービックギュウブだ」
牛の隣にいるパパが言った。
「これがおやつ?それに"キューブ”じゃないの?」
「"牛ブ”だ。色を揃えるのは一緒だけどな。鼻に注目だ」
見ると、鼻輪は知恵の輪の形をしていた。
「これを外すと何かあるのかな?なら簡単だ。ほらね」
輪が外れた途端、体の模様が動きだし、右面と左面に白黒ハッキリと別れた。
そして白い部分がビシャッと崩れて、お椀の中に溜まった。
「ほう。輪が解けて牛も溶けたな」
「この匂い…ミルクだね。牛だけに」
少しすると、黒い部分もプルプルと崩れ落ちて、お椀の中でミルクと混ざりあった。

こうして僕は、おやつ一年分のコーヒーゼリーを手に入れた。
ファンタジー
公開:21/02/22 15:15
更新:21/02/22 15:37

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