変な何か
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朝、大学へ行くためにアパートから外へ出ると、道路を何かが歩いていた。頭はライオン、身体は錦鯉、足は鷹で、尻尾はサボテン。そんな変な生き物だ。
パッと思い浮かんだのはキマイラという言葉だった。ただ、伝説として語られるキマイラとは動物の組み合わせが違う気がした。そもそも、身体が錦鯉というのはどう考えてもおかしいのではないだろうか。
思わず足を止めてそんなことを考えている内に、その何かはノシノシと私の目の前を通り過ぎて行き、そのまま右側にある小路をヒョイと曲がって消えてしまった。
キマイラが姿を消した後も、私はしばらくの間、茫然とその小路を眺めていた。
けれど、このままだと一時間目の授業に遅れてしまうと気付いたので、私は慌てて変な何かのことを頭の中から追い出すと、大学へ向かって歩き始めたのだった。
それ以来、あの変な何かは見かけない。
パッと思い浮かんだのはキマイラという言葉だった。ただ、伝説として語られるキマイラとは動物の組み合わせが違う気がした。そもそも、身体が錦鯉というのはどう考えてもおかしいのではないだろうか。
思わず足を止めてそんなことを考えている内に、その何かはノシノシと私の目の前を通り過ぎて行き、そのまま右側にある小路をヒョイと曲がって消えてしまった。
キマイラが姿を消した後も、私はしばらくの間、茫然とその小路を眺めていた。
けれど、このままだと一時間目の授業に遅れてしまうと気付いたので、私は慌てて変な何かのことを頭の中から追い出すと、大学へ向かって歩き始めたのだった。
それ以来、あの変な何かは見かけない。
ファンタジー
公開:21/02/23 07:46
不思議なオモチャ箱
幻想小説や怪奇小説を自由気ままに書いています。
架空の国、マジックリアリズム 、怪談、残酷なファンタジー、不思議な物語が好きです。
そこに美しい幻想や怪奇があるならば、どんなお話でも書きたいと思います。
アイコンは宇薙様(https://skima.jp/profile?id=146526)に描いていただきました。
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