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俺はその日、一匹の猫と出会った。
見るからにワケありな猫…俺と同じだ。表の世界では生きていけないアウトロー。
そいつの事を気に入った俺は問いかける。「お前、俺の猫になるか?」
猫は何も言わず、俺の後をついてきた。

俺達はアウトロー。お互い干渉し合わない。ただ、お互いの寂しさを埋める為、同居している。
いつぶりだろう…家にいても襲撃や暗殺に怯え、心休まる時はなかった。
だがコイツといれば、不思議と安心する。俺は久しぶりに深い眠りに落ちた。

『任務完了』俺は連絡を入れた。
隣には死体となった男。コイツの暗殺が今回の仕事だった。
猫だと思って油断したな。俺は桜猫。おっと地域猫って意味じゃない。ここでの桜は業界用語だ。
桜の下には死体が埋まっている、なんて言うだろう。俺は過去、何人もの悪人を成敗し埋めてきた。
そう、俺は猫だがプロの殺し屋だ。
まさか猫が殺しで一花咲かせているとは誰も思うまい。
公開:21/02/22 21:03

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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