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僕は君が小さな頃からずっと一緒にいる。

君が高校生の時、きっと恋に落ちたのだろう。一度も目を瞑らずに一晩過ごし、去ってしまったときはすごく心配したよ。その後、、君は僕に泣きついてきて、一着しかない僕の服をびしょ濡れにしたのを覚えているよ。

君は僕を連れて旅行に出かけたね。やっぱりまだ子供だ。夜に君と、それから他の子達とも遊んだのを覚えてる?そのせいで少し怪我もしたけれどね。

大学進学おめでとう。君がどれほど不安で、どれほど行き場のない憤りを感じていたのか、知ってるよ。だからといって、僕に噛み付かないでくれよ。

就活お疲れ様。もう立派な大人だね。次は夢の一人暮らしだ!

さようなら。

君と会話することは叶わなかったけれど、君はある日の早朝に一言、僕に言ってくれたね。
「今までありがとう」
僕には喜怒哀楽はないけど、その日は虹の出る、洗濯日和だった。

僕は昼寝をすることにするよ。
青春
公開:21/02/21 02:59
更新:21/02/21 03:01

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