ご注文はカリフラワーですか?

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「何なのよもうっ!」
お玉片手に、コンロの前で沸騰寸前の私。鍋の中では寸刻みのカリフラワーが、牛乳まみれでぐったりしてる。
事の始まりは、幼馴染の電話だった。十年も音沙汰なしで、いきなり連絡寄越したと思えば、
「ねえ、何かカリフラワーを使った料理知らない?」
知るか馬鹿!!そのままガチャ切りしなかった私、よく耐えた。
出張で仙台に来たところ、何の奇跡か、あいつの今のアパートも仙台だった。行くっきゃないじゃん!って思って。

「で、何でカリフラワー?」
「え、あいや……フランスのカリフラワーが」

悪かったわね、おフランス料理じゃなくて!
人が材料持参で手料理披露したのに、何その言いぐさ。しかも食べながらずーっと上の空。十八番のハヤシライスが台無しじゃない!
「えっと……裏ごしして、クリーム入れてまた煮る!?面倒くさっ!」
覚悟しなさい。次はぐうの音も出ないフランス料理を食べさせてやるから。
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公開:21/02/20 23:49
『名前も知らない花』シリーズ スピンオフ。水素カフェさん 『あの日食べたカリフラワーの 味を俺はまだ知らない』 英奈ちゃんサイド。 返しちゃった(笑) ※彼女が作っているのは、 クレーム・デュバリー (カリフラワーのポタージュ)

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。

【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞

いつも本当にありがとうございます!

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