イギリスのどこかで

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 気がつくと僕は二階建てバスの一席で、窓枠にもたれ掛かっていた。
 そのバスはヒースで埋め尽くされた丘陵の一本道を走っている。僕はどうやらバスの揺れが心地良くて眠ってしまったようだ。
 車内は概ね薄暗いが、陽のあたる場所は夕日によって真っ赤に染め上げられている。
 窓の外から見える真っ赤な夕日と、その夕日に照らされた丘陵は息をするのも忘れるくらい美しい。
 そんな景色に見とれていると、外の空気が吸いたくなり窓を開ける。すると風と共に草の香りが車内に流れ込んできた。
「あぁ、帰ってきたんだ」という言葉が不意に口から漏れた。そして言葉と共に、嬉しいような、どこか寂しいような郷愁が僕を襲った。
 しばらくすると、次の街にもうすぐ到着する事を告げる機械的なアナウンスが流れてきた。
 さてと、街についたらまずどこか感じの良いパブを探して、ホームブリューのエールを一杯。その後の事はそれからだ。
その他
公開:21/02/20 22:05
更新:21/02/20 22:28
サムウェア・イン・イングランド ジョージ・ハリソン 郷愁 イギリス

Azuki Smith( 横浜 )

写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)

投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)

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