「カリフラワー」その2(偽書『名前も知らない花』・全4回)
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「いいんですか紗枝さん」
「あら、いたの?」
紗枝は、今初めてその男の存在に気が付いたというように言った。
「ずっといましたよ。それよりもさっきのお客さん」
「何が?」
「何が、じゃありませんよ。あの雑貨屋の女性、とっくに辞めてるじゃないですか」
「本当のこと言ったら、花が売れないでしょ」
「商魂逞しいですね。だからってこの店でもトップクラスに高い花を売りつけなくても」
「花純ちゃんがいなくなった分、うちの売り上げも減っちゃったしね。あの子人気あったから、残念だわ」
花純目当ての男性客は、この店で花を買っていくことが多かった。
「知りませんよ、どうなっても」
男が呆れたように言った。
「貴方はどうだったの?」
「はい?」
「元々はどっちのストーカーだったのかなって」
「人聞きの悪いことを言わないでください。職務質問を3回ほど受けただけです」
充分じゃないの、と紗枝は心の中でツッコんだ。
「あら、いたの?」
紗枝は、今初めてその男の存在に気が付いたというように言った。
「ずっといましたよ。それよりもさっきのお客さん」
「何が?」
「何が、じゃありませんよ。あの雑貨屋の女性、とっくに辞めてるじゃないですか」
「本当のこと言ったら、花が売れないでしょ」
「商魂逞しいですね。だからってこの店でもトップクラスに高い花を売りつけなくても」
「花純ちゃんがいなくなった分、うちの売り上げも減っちゃったしね。あの子人気あったから、残念だわ」
花純目当ての男性客は、この店で花を買っていくことが多かった。
「知りませんよ、どうなっても」
男が呆れたように言った。
「貴方はどうだったの?」
「はい?」
「元々はどっちのストーカーだったのかなって」
「人聞きの悪いことを言わないでください。職務質問を3回ほど受けただけです」
充分じゃないの、と紗枝は心の中でツッコんだ。
その他
公開:21/02/20 22:01
更新:21/02/21 19:17
更新:21/02/21 19:17
『名前も知らない花』
創樹さん
「あの日聞いた花屋の名前を
俺はまだ知らない」
より
花谷紗枝とストーカー(?)
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