ショートショートスリーパーのわけ

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太陽に迎合し、月を失った人々は、嬉しそうだったり、悲しそうだったり。
環境に適応するものなのか、働きにでる時間帯が増えるにしたがって、彼らはショートショートスリーパーになっていった。今では40分睡眠で日中をすっきり過ごせる。
「これから仕事ですか?」
「そうです、奥様も?」
「そうよ。夜がなくなって、給与も生産性も上がったのはいいことよね?子どもが夜空をみてみたいって煩くって」
「月も星もまだあるわよ。学校で習うんじゃない?」
「学校のビデオで満足するかしら」
「まあビデオですって、懐かしい」
彼女達は少し寂しそうな顔をして笑った。
ファンタジー
公開:21/02/20 20:29
更新:21/02/21 12:10

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