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僕は君が小さな頃からずっと一緒にいる。けれど助けになったことは一度もない。

君が高校生の時、きっと恋に落ちたのだろう。一度も目を瞑らずに一晩過ごし、去ってしまったときはすごく心配したよ。その後、君は僕に泣きついてきて、一着しかない僕の服をびしょ濡れにしたのを覚えているよ。

君は僕を連れて旅行に出かけたね。やっぱりまだまだ子供だ。夜に君と、それから他の子達とも遊んだね。そのせいで少し怪我もしたけれどね。

大学進学おめでとう。君がどのくらい不安で、どのくらい行き場のない憤りを感じていたのか、僕は分かるよ。だからといって、僕に噛み付かないでくれよ。

就活お疲れ様。もう立派な大人だね。次は夢の一人暮らしだ!

さようなら。

君と会話することは叶わなかったけれど、君はある日の早朝に一言、僕に言ってくれたね。
「今までありがとう」
僕には喜怒哀楽はないけど、その日は、虹の出る洗濯日和だった。
青春
公開:21/02/20 16:31

片耳イヤホン( 千葉県 )

こんにちは。美少女との片耳イヤホンに憧れる大学生です。

最後の一言が綺麗に終わるショートショートの練習をしています。是非ご覧下さい。

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