人には見えざる何かを感じる能力(チカラ)

5
3

 人には見えない何かを見たり、感じたりする能力を人は霊感と呼び、そんな霊感を持つ人達を人は霊能力者と呼ぶ。
 市子にはそんな能力が有った。しかも少し変わった事に、彼女は人には見えざる存在を味覚で感じていた。
「霊がいるとね、何だか臭うっていうか、味がするのよ」
「へぇ、そうなんだ。霊になっているくらいだから、その味は辛かったり、苦かったりするの?」
「ほとんどはね。でも全てというわけでは無いの」と言うと、彼女は微笑んだ。
「時々だけどね、何だかあま〜い味がすることがあるの」
 意外だった。そもそも霊になってまで現世に留まるくらいだ。どの霊も何かしら負の感情を持っていて、それはきっと不快な味なのだろうと僕は考えていた。
「人事の速水さん、あの人は良い霊がついているは。だって、あの人の近くを通るとほのかに和菓子とお抹茶の味がするのよ」
 何だか満ち足りた人生を送った霊のように聞こえた。
ホラー
公開:21/02/21 16:41
更新:21/02/22 01:32
霊感 味覚 満ち足りた人生

Azuki Smith( 横浜 )

写真撮影が趣味で、英国文学をはじめとした外国文学が好きな会社員
旅が好きでヨーロッパとアジアを中心に多く国を旅している
また、イギリスに住んでいたこともあり、英国文学に多くの影響を受けている
喋れる言語は日本語 (ネイティブ) > 英語 (アカデミック) >>...>> ドイツ語 (何とか旅が出来るレベル)

投稿内容はその他(主に紀行文)、青春、ホラー、ごく稀に恋愛(でも悲しい物語)

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容