不安だらけの宇宙シャトル便

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ついに一般人でも宇宙旅行に行ける時代が来た。
チケット代はまだ高額だが、子供の頃の夢を叶えようと私は宇宙シャトル便の発着場にやって来た。
「予約していた坂木です」
「ういっす。じゃロケット乗っちゃって」
金髪の兄ちゃんが返事をした。
「え、何かこう事前の説明的なものはないんですか?」
「いや、別にないっすよ」
「あの私、今から宇宙に行くんですよね?」
「そっすね」
「ああ…あそこに宇宙服ありますけど、あれとか着なくていいんですか?」
「ま、どっちでも。着たかったらどうぞ」
「レンタル代は?」
「勝手に使っていいっすよ」
「じゃあ地球に戻ったときに返せばいいですか」
「え、戻るんすか?」
「え?…帰る便は用意してないんですか?」
「うーん…じゃあ、向こうに着いたら誰かいると思うんで聞いてもらっていいっすか。とりあえず打ち上げちゃうんで!」
「え、あの…」

私はこのフライトをキャンセルした。
SF
公開:21/02/21 11:22
更新:21/02/21 11:24

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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