どこかに愛は溢れている
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「愛の反対は無関心」とよく言うけれど、なら、僕は正真正銘愛の無い人間だと思う。
他の人にとんと興味を持てない。持たない。世界の中心は自分であり、自分が中心である為に他者と壁を作っている。そうして過ごすのは、大変居心地が良かった。
けれど
「えぇーん…おかあさぁん…」
時たまこうやって、無理やり僕の世界に入り込んでくる人も、いる。
関係無い、と思って歩き出すと、その子供はヒヨコのように僕の後ろを着いてくる。
「…迷子?」
そう声を掛けると、力無く頷く。ああ、本当に厄介な。
近くのベンチに腰を下ろすと、子供も隣に座った。持ってた鞄の中から、いくつか飴を取り出して子供に渡す。
「それ食べていいから、泣くのはやめて」
そう言うと子供は小さく頷いて、もしょもしょと飴を食べ始めた。ふと顔を上げると、母親らしき女性がこちらに向かってくる。
…誘拐犯と思われるのも嫌なので、僕はそっとその場を立ち去った。
他の人にとんと興味を持てない。持たない。世界の中心は自分であり、自分が中心である為に他者と壁を作っている。そうして過ごすのは、大変居心地が良かった。
けれど
「えぇーん…おかあさぁん…」
時たまこうやって、無理やり僕の世界に入り込んでくる人も、いる。
関係無い、と思って歩き出すと、その子供はヒヨコのように僕の後ろを着いてくる。
「…迷子?」
そう声を掛けると、力無く頷く。ああ、本当に厄介な。
近くのベンチに腰を下ろすと、子供も隣に座った。持ってた鞄の中から、いくつか飴を取り出して子供に渡す。
「それ食べていいから、泣くのはやめて」
そう言うと子供は小さく頷いて、もしょもしょと飴を食べ始めた。ふと顔を上げると、母親らしき女性がこちらに向かってくる。
…誘拐犯と思われるのも嫌なので、僕はそっとその場を立ち去った。
その他
公開:21/02/19 11:39
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