カップラーメン

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「なぁ孝、俺腹へった」
「カップラーメン食うか?」
「食う!」
「お湯をいれて3分待つんだ」
「3分か。時計ないな」
「大丈夫だって。1分は60秒だろ?だから3分は180数えりゃいいんだよ」
「孝、お前あったまいいな!」
「よし、数えるぞ!1、2、3……」
「3で思い出した。3組の後藤先生サックス吹けるんだってよ」
「へぇ。サックスってなんだよ?」
「さあ?よく知らねぇけど、靴下みたいな楽器って言ってたぞ」
「げっ、靴下を吹くのかよ?きたねぇな」
「ああ、臭そうだよな。それより今いくつだ?」
「ああ、次、4からだぞ」
「4、5、6、7……7って言えばさ、俺跳び箱7段跳べた!」
「すげぇな信吾!俺まだ5段」
「5段か……5、6、7、8……」
「…………180!!やっとできた!」
信吾は蓋をめくった。
「うわっグニョグニョじゃん!孝、今度からカップラーメン買うとき別のにした方がいいぞ」
その他
公開:21/02/19 11:20
更新:21/02/19 19:52

仁科佐和子( 愛知県 )

児童文学、エッセイ、小説などを書き散らかし、公募にいそしんでおります。

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