運命のゲーム

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「ポン」
地上での寿命が終わり三途の川を渡ると、雀卓を囲んだ人たちがいた。ざっと数えても20卓はある。どの卓も三人で遊んでいる。
遊んでいる?
いや、元人間らしい者はみな必死だ。鬼と正体不明な何者かがいて、あっちこっちで「ポン」だの「ロン」だのやっている。
一つ、誰もいない卓があったので側に行くと、ささっと鬼とよくわからない何者かが近寄ってきた。
「やるか?」
「ま、やらないと永遠にここに居ることになるがな」
座ると同時にこちらを見つめてくる。
「自分は麻雀のルールを知らないので」
そう言うと、鬼と何者かは熱心にルールを説明し始めた。
よっぽど麻雀がしたいらしい。
熱意に押されてやり始めたが、所詮付け焼き刃。
あっという間に負けてしまった。
勝ったのは鬼だった。
「よし、お前は俺と一緒に地獄に落ちるぞ」
腕を引かれると、どんどん落ちて行った。

生まれ変わったら麻雀を勉強しようと思った。
その他
公開:21/02/19 21:13

いづみ( 東京 )

文章を書くのが大好きです。

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