虹の子供たち
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あるところに髪の生えない部族がいた。産まれた赤ん坊に贈られるのは頭を保護するための帽子。そして14歳になると植毛をする。髪色は本人の希望で決められる。
ホフヌングの14歳の誕生日が迫っていた。
「やっぱり伝統を重んじて黒にするべきよ」
保守的な母が言う。しかしホフヌングはもう決めていた。
「俺は七色の長髪にする」
当日、外は強い風が吹いていた。植毛を終えたホフヌングが外に出ると、突風が吹きつけた。髪が舞い、体が浮き、谷まで飛ばされてしまった。深い深い渓谷。這い上がることも、救助が来ることもできない。あきらめたホフヌングは谷で生きることにした。魚を食べ、川の水を飲み、かろうじて生きることができた。
1年後、また突風が吹き、ホフヌングの体を空高く持ち上げた。長い髪が陽の光を浴び光りだす。
「あれ?雨上がりでもないのに虹が出てる」
少女がつぶやいた。
「そうだ、わたし、七色の髪にする」
ホフヌングの14歳の誕生日が迫っていた。
「やっぱり伝統を重んじて黒にするべきよ」
保守的な母が言う。しかしホフヌングはもう決めていた。
「俺は七色の長髪にする」
当日、外は強い風が吹いていた。植毛を終えたホフヌングが外に出ると、突風が吹きつけた。髪が舞い、体が浮き、谷まで飛ばされてしまった。深い深い渓谷。這い上がることも、救助が来ることもできない。あきらめたホフヌングは谷で生きることにした。魚を食べ、川の水を飲み、かろうじて生きることができた。
1年後、また突風が吹き、ホフヌングの体を空高く持ち上げた。長い髪が陽の光を浴び光りだす。
「あれ?雨上がりでもないのに虹が出てる」
少女がつぶやいた。
「そうだ、わたし、七色の髪にする」
その他
公開:21/02/19 17:26
文章を書くのが大好きです。
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