お料理教室

平日にも関わらず料理教室は想像以上に生徒が多かった。
年配の生徒が多いのも驚いた。
「それでは包丁の正しい握り方から…」
基本からしっかり教えてくれる所や
「この段階でしっかり筋を断っておきます」
後片付けの事を考慮した調理法が人気の秘密だった。
あるグループからどよめきが上がる。
新鮮な材料が跳ねたようだ。
教室は私語が無く、皆真剣だった。
表情は分からずとも眼を見れば分かる。
しかし皆同じ疑問を抱いていた。
堪らず女性が質問した。
「この方々は一体何処から…」
「然るべきルートで仕入れた問題のない教材です。ご安心ください」
目出し帽の生徒たちはそれ以上問い詰める事は出来なかった。
同じく目出し帽の講師は声をあげた。
「これで終了です。皆さんの気に入らない相手をお料理なさってください。
最初にも申し上げましたが、今後何があってもくれぐれも当教室は責任を負いませんのでお気をつけて」