丁髷（ちょんまげ）兄ちゃん

丁髷をした兄ちゃんが最近町内を動き回っている。頭は丁髷だが他の服装は普通のジャンバーにジーパンだ。
人を見かけで判断したらいけないと言うけど、どーみても可笑しい。しかも丁髷にはリボンが結んであり、今日は赤色、昨日は黄色、その前は緑色と、曜日毎に色も変わり７日で一巡するから、虹色兄ちゃんと呼ぶ人もいる。

誰も知らないし最近引っ越して来たのかなと、噂されていた。自治会長に問い合わせても何者かは分からない。人に危害を加える分けでもなく、散歩しているだけだから、警察も手出しは出来ない。
そんな時、町内の自称物知りが彼に声を掛け、話を聞き出した。

彼は江戸時代の武士であり、籠に乗り登城する際に突然大雨が降り出し落雷があった。気が付けば知らない世界の知らない家に倒れていた。今は誰も住んでおらず、その家にあった着物（ジャンパーやジーパン）を身に着け、置いてあった不思議な物（非常食）を食していると。