意味怖〜お見舞いのお花〜

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「お見舞い?」
「そう。花を持っていきたいんだけど、どんなのがいいと思う?」
彼はそう言って私に相談してきた。
好きな子が体調を崩して、長いこと入院してるからって。
「ああ、それで私に。」
「そ、花に詳しいだろ?」
「まあ、そうね。」
人の気も知らないで…
「どんかんなんだから…」
そう言いたくなるのを抑えつつ、少し考える。
「そうね、スズランなんてどう?白い小さい花で、可愛いあの子にぴったりでしょ?花言葉は、再び幸せが訪れる。元気になるようにって意味では最適だと思うよ。」
「おー、いいじゃん!相談してよかったよ!」
「お役に立てたなら何より。駅前の花屋さんで鉢植えが売ってたと思うから、お見舞い途中に買って行ったら?ちゃんとテーブルに置いてあげるのよ。」
「サンキュ!じゃあ、行ってくる!」
「行ってらっしゃい。お大事に、って、伝えておいてね。」
私はヒラヒラと手を振って彼を見送った。
その他
公開:21/02/18 18:00

ハル・レグローブ( 福岡市 )

趣味で昔から物書きをのんびりやってます。
過去に書いたもの、新しく紡ぐ言葉、沢山の言の葉を残していければと思います。
音泉で配信されているインターネットラジオ「月の音色 」の大ファンです。

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